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インターネット広告「運用」担当者に必要なことは?

 インターネット広告は、「運用型」が主流になっています。以前の「予約型」≒枠売りの時代から、運用によって”今最適な”状態を常に模索していく、というスタイルに変わっています。

そんな流れの中で、広告を直接担当する新規集客担当者にとって、求められる「資質」とはどんなことでしょうか。

5つの必要な能力

2009年にコンサルタント・竹内謙礼さんが書かれた本の中に、「まさにこれだ!」というのがありました。

・経営能力
・マーケティング能力
・クリエイティブ能力
・エンジニア能力
・ルーチン能力

10年以上前であり、キーワード(リスティング)広告について書かれていたものですが、そこからGoogleやYahoo!のテクノロジーがいかに進歩しようとも、変わらない「本質」という意味で、ほんと的確です。


ビジネスである以上、

「経営」とまではいかないまでも、「全体最適」という視点は必要です。例えばリスティング広告であれば、ひとつのキーワードに対して最適化することは大切ですが、同時にそれが全体に対してどれくらいの影響力を及ぼすか、常に念頭においておきます。
広告の運用については、クリック率やコンバージョン率、クリック単価、インプレッションシェアなどたくさんの指標が並び、そのためにクリエイティブや入札価格、キーワードの精査など改善ポイントも多岐にわたります。
最終ゴール(効率や絶対数など)に対して、インパクトの大きいところから、を意識していきます。

広告=お客様に見ていただくために、

当然に、マーケティング力、クリエイティブ力が必要です。これを身につけるには、まずはインプットを増やすこと。既に展開されている他社のクリエイティブなどを「毎日」見ましょう。毎日見ていると、小さな「変化」に気づくはずです。なぜクリエイティブを変えたのだろう?「お得感訴求」が最近出ていないような...そんな「変化」を捉えます。そこから生み出す「仮説」(あのクリエイティブはよくなかったのかな...とか)によって、次の進むべき行動が、方向性が見えてきます。
積み重ね、広告運用に限らず大切なポイントです。

「ある程度の」仕組み理解

マニアックなレベルまでは必要ありませんが、広告の「仕組み」についても最低限の知識は得ておく必要があります。そもそも表示を確実にするためには何が必要なのか。クリック単価を下げても上位表示されるためにはどうしたらよいのか。仕組みを知っておくのと知らないのとでは大きな差があります。
考えるポイントのひとつは、媒体・プラットフォーム側の視点を持つこと。広告の配信対象が(属性セグメントなどで)少ない場合に、どうしてクリック単価が高くなるのか、などは広告媒体側の視点で考えると、わかりやすくなります。

地道に愚直に、

竹内さんがいうところの「ルーチン能力」、現場を経験してきた身からいうと、これがまさに求められる資質だと考えます。「運用型」とは、24時間365日稼働していて、終わりがありません。また、「最適な勝ちパターン」が見つかったとしても、時間の経過とともにそれが「最適」ではなくなる時期はいずれ来るでしょう。
その中で「今」一番よい状態にしておくこと、これは日々の積み重ね、これです。
GoogleのAIが進化して、機械学習、自動入札が進んだとて、そこから差がつくのは、人の手、人の目、です。むしろ、自動化が進んだことによって、競合の上を行くためにには、「人」が重要なのかもしれません。
考えてみれば、昔も今も(おそらくこの先も)変わらないことです。繰り返し、ひとつひとつ積み重ねること、大事です


最後にもう一度、

繰り返します。

5つの能力、
・経営能力
・マーケティング能力
・クリエイティブ能力
・エンジニア能力
・ルーチン能力

ゴールを定めて、その目標を意識して進めること、これを常に念頭において歩いていけば、能力は高まります。あと付け加えるとすれば、運用をしていく中で、出てくるパフォーマンス、数字を楽しむこと。変化を受け入れること。仮に想定を下回ってもそれは「合わない」という結論を一つ得ることです。前進あるのみ!


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