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WEBマーケティングの”パートナー”を考える。


WEBマーケティング、特に、集客のための「広告」を考えるとき、どのような体制を作るべきでしょうか。広告代理店にどこまでお願いするのがよいでしょうか。

初動段階と拡大期ではまた考え方が異なるかもしれません。


実際の経験値から、これからの「外部パートナーとの付き合い方」を考えていきましょう。



広告代理店って?


広告だけではなく、既存のお客様へのフォロー(CRM)、制作、システム、ツール、場合によっては戦略立案も含めて、外部の「専門家」の力を借りる場面は、少なからずあります。

では「誰に?」という点で、まず「広告代理店」をイメージすることもあります。ありますが、その名の通り「代理」であって「専門家」ではない、という点を認識する必要があります。

特に、インターネット広告の取り扱いがメイン(オフライン広告に対して、という意味です)の代理店の場合、事業者の代理、というスタンスではなく、「媒体、ベンダーの代理人」という側面が強いのが実情です。

つまり、事業者の今抱えている課題に対して、というよりも、今売りたいもの、という傾向があります。

そこを(なんとなく、でよいので)ウラで理解しながら付き合うのと、そうでないのと、実は差がでてきます。



お願いする領域


制作やシステムは、その「専門家」と直接相談したほうがよいのは明白です。例えば”既存のお客様向けの施策”、いわゆる”CRM”(Customer Relationship Management)について言えば、「専門家」はその事業者の社内担当者に勝る者はいません。広告代理店にしても、コンサルタントにしても、当然その事業者の「内情」(考え方や、評価、KPI。または文化やその考え方に至った経緯・背景など)を十分知ることは不可能でしょう。CRMは事業者ごとに異なる「内情」を知らない限り、「仮説」すら立てられないのが現実。

広告代理店にお願いするのは、「広告」に絞って考えたほうがよいでしょう



インターネット広告は


ではその「広告」に関しては、全面的に代理店にお任せしてしまってよいのでしょうか。ここで考えたいのですが、テレビや新聞、あるいは看板といったオフライン広告と違って、インターネット広告の場合、「掲載枠」という考えがとても小さくなってきています。

インターネット・ユーザーが検索をしたり、記事を読んだりしている時に出てくる「広告」は、アクセスする人によって異なります。時間帯や地域、デバイスによっても違うものがでます(広告を出す仕組み側は「最適化」している、という建付けですが、果たして...)。


そして、掲載面を提供するメディア(Yahoo!など)やプラットフォーム(GoogleやFacebookなど)が、直接事業者と話をする機会を多く持とうとする姿勢が見えます。

広告出稿の流れ、その変化


広告代理店は、広告を出稿する事業者側ではなく、広告枠を販売するメディア側に寄る傾向がありました。ところが前述のように、「枠」という概念が消えかけ、さらにメディアと事業者が直接繋がることが増えてきました。つまり事業者側に「体制」「気持ち」があれば、代理店を遠さずに直接メディアに広告を出稿するということが実施しやすい環境にある、ということです。



自社内で実施するといいことが


広告の領域で、事業者が考えるべきことは、「担当部署・担当者の強化」です。WEBマーケティングやECの部署では、インターネット広告に携わる担当者が知識や経験を積んでいくことが、事業の成長に最も寄与する要素になります。

当然にビジネス視点が重要ですが、それを実現するためのツールとしてのWEBマーケティング(ここでは特にインターネット広告とします)を知る、使いこなす、という「技術」を習得しなければいけません。

座学よりも実地、そして「やらざるを得ない」環境も後押しします。広告代理店に投げること、を覚えても成長はありません。試行錯誤を大前提に、自社内での経験を積んで、能力を高めていくことがキーポイントになります。


困ることはないのだろうか


いわゆる「インハウス運用」を考えるとき、よく出てくる”デメリット”が、

「最新の情報が入ってこない」ということ。

確かに情報は取りにいかなければならない、そんな環境になります。でも...考えてみて。

広告代理店を通じて広告を出稿しているから「最新の、正しい情報」が入ってきてましたか?

必要な情報は自ら取りに行くのが本質です。この「情報」については、まったくデメリットになりません。身をもって断言します。


何かが変わるのだろうか?


実際に、「広告代理店」から「自社運用」に変えたプロセスでの、変化のボリューム感を。




ちろん、変えれば即パフォーますが改善される、ということではありません。


ちなみに、この時の意気込みは、


※「広告代理店」時代を、3ヵ月で上回ることを最初の目標に。

※変更した判断は間違いじゃない、と自分で納得するために早期に成功する必要がある

※直前にお願いしていた広告代理店の進め方に不満があったので、こちらが正解だ、と証明したかった


などなど、半分、いや半分以上は「気合」で乗り切った、という背景あり。


「気持ち、気合」さえあれば、必ず上回れます。断言します。


では、広告代理店はいらないのか

インターネット広告は、(リソースがあれば)自社内で完結させたほうが、”圧倒的に”プラスです。これは確か。


じゃあ、広告代理店は要らないのか。


いずれ(そう遠くない将来、かもしれない)カタチを変えると思うのですが、”広告の代理”という意味では、必要性はさらに薄まると。じゃあ、その価値はどこに持つのか、ということですが、

事業者の経験はあっても、代理店側の経験はないので、自分勝手な考え方です、以下。



こうあってほしい(私見)


例えば提供している商品・サービス、あるいはビジネスモデル、切り口は様々ですが、なんらかの切り口に特化した「局地的に強い」エージェントサービスは魅力的です。


・化粧品通販事業にやたら詳しいエージェンシー

・無料サンプルから本商品、定期購入のフローを追い求めるエージェンシー

・50代以上ターゲットのクライアントしか受けないエージェンシー


極端ですが、「課題いただければなんでもします」という魅力ゼロの広告代理店よりは、「ここだけは知見が相当あります」というほうが、ダンゼン魅力的です。専門領域以外はやりません、と言いきっちゃうくらいの潔さが欲しいところです。


(繰り返しますが、勝手な個人的な意見です)


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