「顧客理解」は、簡単ではない。DX、AI、MA、EX、UI、UX、カスタマージャーニー...デジタルの現場にいると、 「かっこよさそうな...(けど実はよくわかっていない)」言葉を浴びることが少なくありません。「まずお客様を理解すること」は、正解でしょう。でも、それはツールを眺めているだけでは実は「わかったふり」に過ぎないのかもしれません。 最高のマーケッターは、八百屋さん? ディノスセシールの石川さんが言われている、 イケてるマーケター=八百屋さん の話が究極に的を射ていると思います。曰く、 「八百屋さんって日々目の前のお客様と会話をして、売上を見ながら商品をコントロールする」 「よいキャベツを仕入れられたらまず人目に触れる店頭におく、興味をもってくれたお客様にはオススメの調理方法なんかを伝えることでさらに買ってくれる人を増やす」 正論すぎます。これをECで実現できている、いや、しようとしている人はいるでしょうか。EC担当者になると、お客様がUUになり、お店に立ち寄ってくれることがセッションになり、PVになってしまいます。 そして、効率化のためにツール導入して...少しずつ「八百屋さん」から離れてしまっていませんか? どこに向かっているか 「マーケターになる」という目標、悪くはないのですが、ビジネスである以上、売上や利益、事業の拡大が求めるべき点。そこが欠けてしまうと、たとえば「CPCをいくらまで下げる」が目標になってしまうと、「八百屋さん」はどんどん遠ざかります。 EC担当者は特に、「かっこよさそうな」言葉に囲まれる時間がたくさんあります。本質のところを見失わないよう、意識することも大事なポイントです。 ツールで「顧客理解」? 確かに、サイト内行動や、広告測定ツール、DMPやらCDPやら、さらに機械学習、自動化、すごいことができそうです。ここから「傾向」が見えることはあるでしょう。少なくとも「仮説を立てる」ことはできそうです。 でも、自分のオンライン行動を考えてみると、そんなに単純じゃない気がします。普段はドラッグストアで水を買っているけど、たまたま今回時間がないのでオンラインで購入してみる。これまでは「ブランドA」を中心に揃えていたけれど、最近気になるあの人が「ブランドC」を持っているので、そちらに浮気してみたり。. やっぱり「過去のオンライン行動...
インターネット広告は、「運用型」が主流になっています。以前の「予約型」≒枠売りの時代から、運用によって”今最適な”状態を常に模索していく、というスタイルに変わっています。 そんな流れの中で、広告を直接担当する新規集客担当者にとって、求められる「資質」とはどんなことでしょうか。 5つの必要な能力 2009年にコンサルタント・竹内謙礼さんが書かれた本の中に、「まさにこれだ!」というのがありました。 ・経営能力 ・マーケティング能力 ・クリエイティブ能力 ・エンジニア能力 ・ルーチン能力 10年以上前であり、キーワード(リスティング)広告について書かれていたものですが、そこからGoogleやYahoo!のテクノロジーがいかに進歩しようとも、変わらない「本質」という意味で、ほんと的確です。 ビジネスである以上、 「経営」とまではいかないまでも、「全体最適」という視点は必要です。例えばリスティング広告であれば、ひとつのキーワードに対して最適化することは大切ですが、同時にそれが全体に対してどれくらいの影響力を及ぼすか、常に念頭においておきます。 広告の運用については、クリック率やコンバージョン率、クリック単価、インプレッションシェアなどたくさんの指標が並び、そのためにクリエイティブや入札価格、キーワードの精査など改善ポイントも多岐にわたります。 最終ゴール(効率や絶対数など)に対して、インパクトの大きいところから、を意識していきます。 広告=お客様に見ていただくために、 当然に、マーケティング力、クリエイティブ力が必要です。これを身につけるには、まずはインプットを増やすこと。既に展開されている他社のクリエイティブなどを「毎日」見ましょう。毎日見ていると、小さな「変化」に気づくはずです。なぜクリエイティブを変えたのだろう?「お得感訴求」が最近出ていないような...そんな「変化」を捉えます。そこから生み出す「仮説」(あのクリエイティブはよくなかったのかな...とか)によって、次の進むべき行動が、方向性が見えてきます。 積み重ね、広告運用に限らず大切なポイントです。 「ある程度の」仕組み理解 マニアックなレベルまでは必要ありませんが、広告の「仕組み」についても最低限の知識は得ておく必要があります。そもそも表示を確実にするためには何が必要なのか。クリック単価を下げても上位表...